ずいぶん前の話になりますが、アメリカのオバマ大統領が子供向け食育イベントで、好きな野菜は?と聞かれて「ブロッコリー」と答えたことが話題になっていました。これがなぜ話題になるのかというと、元大統領にブロッコリー嫌いで有名な人がいたからだそうです。
ジョージ H.W.ブッシュ元大統領(お父様のほう)は、ブロッコリーが子供のころから大嫌いで、大統領になってから、「ブロッコリーは嫌い、二度と食べない」と発言したほどでした。怒ったブロッコリー農家からトラックで大量のブロッコリーを送りつけられたそうです。
アメリカの子どもたちに一番嫌われている野菜がブロッコリー、日本だとピーマンかにんじんあたりでしょうか。ブッシュ元大統領の時代は、子供たちに「大統領だって食べないんだから僕も食べない!」と言い返されて困ったママたちがたくさんいたことでしょう。
らでぃっしゅぼーやのパレットにも、冬と初夏にブロッコリーがよくはいってきます。ブロッコリーは緑黄色野菜でビタミンCやビタミンKが豊富で、細胞を作るときに必要な葉酸もたくさん含まれているので、ぜひ子供たちに食べてほしい食材です。
色もきれいなので、お弁当の彩りにも重宝します。うちの長男と次男はブロッコリーが大好きで、ちょっと小腹が空いた時に冷蔵庫にある塩ゆでブロッコリーをつまんだりしています。でも、三男は苦手らしく、赤ちゃんのときはまったく食べてくれませんでした。
なんとか食べてもらいたくて、刻んでオムレツに入れたり、スープに入れたり、チーズでまいたり、茎をニンジンと一緒にゴママヨ和えにしたりきんぴらにしたり、といろいろ手を変えしつこく食卓に出していたら、だんだん慣れてきたようで、最近では塩ゆでブロッコリーも食べてくれるようになりました。
ブロッコリーのようなアブラナ科の野菜には、苦み成分があって、人によってこの苦み成分を強く感じる人がいるそうです。前述のブッシュ元大統領はきっとこの苦み成分に敏感な人だったのでしょう。
子供は大人に比べ苦みに敏感で、成長とともに苦味を大人の味として受け入れられるようになるんだとか。そう考えると、うちの三男もこの苦みに敏感な子で、大人の味に慣れてきたのかも知れません。
似たような野菜に「カリフラワー」があります。こちらは冬の寒い時期によくパレットにはいってきます。真っ白なつぼみがみっちり詰まっていて、ブロッコリーのつぼみより細かくてぶつぶつ感がないように見えます。
塩ゆでしてみると、つぼみ部分がなめらかで、クリーミーに感じられます。カリフラワーは淡色野菜で、ブロッコリーほど栄養価は高くないですが、カリフラワーに含まれるビタミンCは熱に強く茹でても残っているそうです。
カリウムも豊富です。カリウムは塩分を外に出して血圧を下げてくれる働きがあります。ブロッコリーが苦手な我が家の末っ子は、カリフラワーは大好きでした。もしかしたら三男が苦手なのは、苦味ではなくあのつぼみのぶつぶつ感なのかも知れません。
子供の味覚は意外にころころ変わります。苦手でもいつか「おいしい」と感じることがあるかもしれません。その時に備えて、我が家では、嫌いなものも出されたら必ず一口食べてみる、がお約束になっています。でもたぶん「もういらない。ママ食べて」となるパターンが多いので、ママの分は少なめによそっておきましょう。