食べやすい、食べにくいトウモロコシとは?

アメリカ人の大学生が,「アメリカンボーイは,芝刈りととうもろこしの皮むきがうまいんだ。」と自慢げに話してくれたことがあります。芝刈りはアメリカの子どもたちがよく担当させられるお手伝いの定番のようで,日本なら草むしりでしょうか。

とうもろこしのほうは,さすが南米原産,アメリカでよく食べられている穀物なのだなあと感心しました。かくゆう私も北海道出身で,よくとうもろこしの皮むきをやらされていたので,自分で言うのもなんですが上手です。

最近では,スーパーで売っているとうもろこしはすでに皮をむかれ真空パックされていたり,キャベツの外側の葉よろしく,その場でトウモロコシの皮をむいてからレジに向かう人も多いです。

剥いたらすぐゆでないと味がどんどん落ちちゃいますよ,と教えてあげたくなりますが,家に持ちこむごみを減らしているんでしょう,生活の知恵とも言えなくもない光景です。

北海道にいたときのとうもろこしのイメージは,実のひとつひとつが大きくて実の外皮が結構かたくて,歯をひっかけてぽろっとはずすことができる,というものでした。旬のときにたくさんゆでて,実を手でぽろぽろはずして冷凍保存していました。

うまくはずすと,実がいくつも列になってくっついたままはずすことができるのですが,この列の長さを競って遊びながら手伝っていました。でも近頃買うトウモロコシは,実がとてもやわらかく,歯をひっかけても根っこはとれずに上の方だけちぎれてしまい,食べたあとがあまりきれいにはならないのです。

品種の違いなのでしょうが,実の上っ面だけ食べているようで,もったいないというか食べごたえがないというか。

ところが,先日らでぃっしゅぼーやから届いたトウモロコシは,実がやわらかいのにねっこからぽろっととれて,そして味も美味しいスグレモノでした。ぱれっと付属の「本日のメニュー」には品種までは書いてありませんでしたが,産地は愛知か神奈川のようです。

ぱれっとに入ってくるトウモロコシは,皮付きのものが多いのですが,今回届いたものは皮が1枚だけついた状態でラップにつつまれていて,先の方が少しカットされていました。説明書きによると,トウモロコシはここ数年,皮が柔らかく甘味の強い品種ばかりになっていて,喋々や蛾の幼虫にとって美味しく食べやすくなっているのだそうです。

春から初夏にかけて虫たちも元気になる季節なので,トウモロコシの先の方から虫が入り込んでむしゃむしゃ食べちゃうものもあるようです。虫だけでなく,トウモロコシの先の方は実がつぶれてしまったり,実がならなかったりとトラブルが多い場所だそうで,先端をカットしてお届けする場合があります,と書いています。

こんなに柔らかくて美味しければ,虫たちにもごちそうだったに違いありません。先端をカットされたトウモロコシを眺めながら,育った畑を思い描くのもまた楽しいものです。

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