私は小さい頃から牛乳が苦手で、給食の時間といえば牛乳を残さず飲むのがつらかったという思い出しかありません。
子供達には牛乳嫌いにならないでほしいと思っていたところ、お友達がらでぃっしゅぼーやの「地球まるごとごっくん牛乳」をすすめてくれました。見るといまどきめずらしいビン牛乳、900mlなのにビンの厚みのせいか、市販の1L紙パックより大きく見える牛乳です。
とにかくおいしいから是非飲んでみるように言われましたが、牛乳嫌いの私ははじめはこわごわでした。でも実際に飲んでみての感想は、「あれっ?牛乳のあと味がない」でした。私が牛乳の何が嫌いかっていうと、牛乳を飲んだ後に口の中に残るようなどろっとした後味が一番いやだったのです。
給食の牛乳は薄かったので、その後味があまり強くなくてなんとか飲みきることができていたのでした。しかし、らでぃっしゅぼーやのごっくん牛乳は、私の嫌いな後味が感じられない牛乳だったのです。しかも給食の牛乳と違って水っぽくないから不思議。
カタログの説明を読んでみると、ごっくん牛乳はしぼりたての牛乳の風味を大切にした、ノンホモジナイズド(均質化処理していない)、パスチャライズ(72℃で15秒殺菌)のビン入り牛乳で、生乳に近い味わいで、コクがあるけどサラリとした飲み口の牛乳、なのだそうです。
市販の牛乳が超高温殺菌(120℃で3秒)、低温殺菌牛乳が60℃で30分。殺菌時間が長くなればコストがかかり、殺菌温度が高ければ風味が損なわれ後味が悪くなる、という関係のようです。
パスチャライズ牛乳はその2つのよいところをとったようで、味は低温殺菌に負けずにおいしく、でも低温殺菌ほど高価格ではない牛乳なのです。パスチャライズ牛乳の難点は、元の牛乳の品質が常に高くなければうまくいかないこと、と聞いたことがあります。
らでぃっしゅぼーやのごっくん牛乳は、生産者が搾ってから工場まで、工場から家庭までの流通経路もしっかり考えられているから、パスチャライズ牛乳にできるんですね。
ごっくん牛乳のビンは紙パックよりも重くてかさばりますが、ビンにしていることには理由があります。このビンはリユースされる、つまり回収したら綺麗に洗ってまたごっくん牛乳を詰めて会員さんのお宅へ配達されるものなのです。
世の中に出回っているビンのほとんどがリサイクル、つまり一度こなごなにつぶして溶かしてからまたガラス瓶に生まれ変わるのですが、砕いて溶かす分だけ余分なエネルギーを消費することになってしまいます。
リユースなら砕いて溶かす手間もなく洗えばすぐに使えるので、環境にとてもやさしいのです。重くてかさばるのは難ですが、配達のお兄さんが玄関先まで持ってきてくれるし、ビンの回収も配達のお兄さんが持って行ってくれるので、まあよしとしましょう。
牛乳の風味の違いを実感するのは、牛乳嫌いの私がコーヒーや紅茶に牛乳を入れて飲むときです。市販の超高温殺菌牛乳をコーヒーに入れると、牛乳の生臭さが鼻につくというか、コーヒーの風味が変わるように感じるのですが、パスチャライズ牛乳や低温殺菌牛乳を入れるとコーヒーの味が引き立つように思います。
これはミルクティーのときも感じることです。イギリス人はミルクティーに必ず低温殺菌牛乳をいれるそうですよ。我が家の冷蔵庫には、子供達がごくごく飲む安い牛乳と、主に私がコーヒーや紅茶に入れる高い牛乳の2種類が必ずはいっています。
らでぃっしゅぼーやで育ったうちの子供達は、みんな牛乳大好きです。市販の牛乳も飲みますが、やっぱりパスチャライズ牛乳が好きみたいです。本物の牛乳の味で育ったから、牛乳好きに育ったのかもしれません。