どこかの携帯やさんのキャラクターみたいな名前ですが、れっきとした野菜の名前です。「たけ」とつきますが、たけのこの仲間ではなく、イネ科の植物「マコモ」に食用菌である黒穂菌がついて刺激して肥大した若芽のことです。
若芽という点ではたけのこに通ずるものがありますね。でもたけのこと違ってえぐみもなく、面倒な下茹でをしなくてもコリコリした歯ごたえが味わえます。
味は自己主張するような個性はないのですが、あっさりしていてちょっと甘めの、ホワイトアスパラガスのような感じの味です。
まこもは田んぼや沼地に雑草として生えている草だそうで、こんなに美味しいものが取れるなら、そのへんの雑草ももっとよく見ておかなくちゃ、などど考えてしまいます。
マコモダケは薄緑の葉に守られて届きました。形はタラバガニの足(爪の付いている先のほうじゃなくて、太もも?のところ)のようで緑色の長細い葉っぱがついています。
さすがイネ科。長細い葉を2~3枚剥くと、中からまっ白できれいな太い部分が出てきます。これが黒穂菌に刺激されて太くなった「マコモタケ」です。上下の細くなったところを切り落として残った部分をお料理に使います。
菌がついたなんて聞くと、食べても体に影響ないのかな、と不安になりますが、大丈夫。人間が食べても無害なんだそうです。稲や麦に黒穂菌が感染すると、実の中が黒い粉だらけになってしまう「黒穂病」になって、稲や小麦を食べられなくなりますが、まこもだけはまだ黒穂菌が黒い胞子を作り始めるまえに収穫しています。
さて、どうやって食べようかな。たけのこの代わりに、青椒肉絲に入れてみます。牛肉を細切りに切って酒、醤油、片栗粉を順に揉み込み、しばらく置きます。その間に
ピーマン、ニンジン、しいたけ、玉ねぎか長ネギ、そして今日の主役のまこもだけを細切りにしておきます。たけのこと違って、面倒な下茹で無しで切るだけで調理できちゃうのは大きいですね。
たけのこの下茹でも、見ている分には面白いのですが、なにせ時間がかかるし、届いたその日に下茹でしなくちゃ、というプレッシャーがなくて良いです。
青椒肉絲づくりに戻りましょう。中華鍋を熱し、サラダ油をいれてから下味をつけておいた肉、玉ねぎにんじん、他の野菜たちを順に炒めあわせます。酒、砂糖、醤油で味付けして出来上がり。
さて肝心なマコモタケのお味は…。息子たち曰く「美味しい!たけのこよりおいしい!」だそうです。
まこもだけは、少し炒めると甘みが増すような気がします。中国では高級食材として扱われているとか。日本でも作る農家さんがもっと増えるとよいですね。